予期せぬ妊娠があった場合やどうしても出産ができないという場合には、人工妊娠中絶を行うことが、妊娠22週未満であれば認められています。しかし、妊娠のどの段階に達しているかによって、中絶の方法が異なってきます。妊娠12週未満の初期から中期前半くらいの妊娠に関しては、スプーンのような器具で子宮内から胎児や付属物などの妊娠に関係するものをすべて摘出してしまう掻爬法と子宮の内容物を強力な吸引器で吸い出してしまう吸引法の2種類が主な方法です。掻把法の場合には、危惧がシンプルな構造になっているので、感染などを引き起こすリスクが少ないのがメリットです。

吸引法の場合には、手術時間を大幅に短縮させることができるので身体への負担が少ないのがメリットですが、出血量が増大することがあります。一方で、妊娠12週以降の中期前半から中期後半くらいまでの中絶の場合には、ある程度胎児が成長しているので、分娩に近い形で行います。薬剤で子宮頚管を拡張させたうえで、陣痛誘発剤を投与して行います。この方法は、母体への負担が比較的軽いということで、WHOでも推奨されている方法です。

人工妊娠中絶は、このような処置を必要とし、1つの小さな命を人工的に破棄してしまうものなので、できる限りは減らしていかなければならないことです。日本全体では減少傾向にありますが、20歳未満の若年層では増加傾向にあります。若年層が、しっかりとした避妊対策を取らずに性行為を行ってしまった結果、責任の負えない妊娠をしてしまい、結局は人工妊娠中絶に至ってしまうというケースが増加しています。このような実態から、妊娠に関しての知識を、学生の頃から十分に教育していくことが求められています。